2008年10月23日木曜日

今日はヤギ日記(番外編)



ここはとある有名な寺院。
人は長蛇の列を作って並んでいます。神様に捧げるお花やココナツなど持っています。
そこに鈴をつけた黒ヤギくんがやってきました。

ちりん ちりん

白ヤギ:『めーめー こわいよー』
黒ヤギ:『こんにちは、白ヤギくん。どうしたの?』




白ヤギ:『ぶるぶる なんかすっごい むなさわぎがするの。わたしここでころされちゃうのかな ぶるぶる』

黒ヤギ:『殺されるんじゃないよ。神様に捧げられるんだ。ここの国(ネパール)の人は神様への信仰がとても厚いから、願いがかなったらヤギか鶏をいけにえとして捧げるんだ。神様に感謝の気持ちを表すんだよ。』

ちりん ちりん

白ヤギ: 『めーそんな ひどい』

黒ヤギ: 『まあ落ち着いて』 ちりん ちりん



白ヤギ: 『あなた なによ さっきからすずしい かお して。
      なに この すずは。 かっこうつけてんの』

黒ヤギ: 『あ、くるしい やめて。
      
      これは しるし だよ。 ぼくも 神様に ささげられた ヤギなんだ』

白ヤギ: 『そうなの?』

黒ヤギ: 『そうだよ。 きみのように 神様に ささげられた ヤギは 次の世では、別の生き物に生まれ変われるんだって』

白ヤギ: 『そうなの?』

黒ヤギ: 『そうだよ。 かみさまへのいけにえ は とうとい犠牲 なんだ。』

白ヤギ: 『あなたも かみさまに ささげられた ヤギでしょ。 どうして じゆうに あるけるの』

黒ヤギ: 『ぼくと きみは ささげられかたが ちがうんだ。
すずを つけてる やぎは、かみさまに ささげられた やぎとして
誰からも 盗まれたり 殺されたり 食べられたり しない。 ただ ずっと 自由に生きるんだ』

白ヤギ: 『そうなの? なんか ラッキーだね、 あなた』

黒ヤギ: 『そんなことないよ。 なかまが ころされていくのを ずっとみることしかできない。 それも つらい ことだよ。』

白ヤギ: 『そうなの・・・。生きるのも いけにえとして ささげられるのも たいへんだね。わたしがんばってくるね。』

黒ヤギ: 『うん、ぼくはここで きみが立派に 最後の ときを迎えるのを 見守ってる』

白ヤギ: 『うん。それじゃあね さよなら』

黒ヤギ: 『さよなら』 ちりん ちりん




犬: 『この国(ネパール)じゃあ ヤギはたいへん だなあ。僕たち(犬)はのんきなもんだね』

1 件のコメント:

Introduce Nepal さんのコメント...

本当にネパールではヤギさん大変だね。それにくらべ犬にとってはネパール天国だ!そのヤギのことを思うと切ない気分になります。でも、この視点からネパールの伝統を見ることも大切だとおもいました。

今度、ネパールの大自然に生きている幸せなヤギさんの話も聞かせてくださいね!